今回は過食嘔吐について。
この負のサイクルは、ストレスや社会的圧力によって引き起こされることがあります。
しかし、このサイクルを改善することは可能です。
ということで、昨年も書きましたが今回は過食嘔吐について。
医療従事者ではありませんので一つの読み物として読んで頂けたらと思います。
過食嘔吐の原因はストレスです!
2002、2003年に全国8府県で全中学高校の養護教諭を対象に実施した調査では,摂食障害で悩む生徒が増えていると答えた学校は,中学で45%,高校で54%に上り,摂食障害の生徒を持った経験があると答えた教諭は,中学で62%,高校で87%に上ると報告している。 摂食障害の中でも,過食症の増加は著しく,1993 年には人口10 万人当たり1.2 人であったのが,1999年には約67倍に急増している。
女子大生のダイエット行動とストレスが Binge Eating に及ぼす影響
すこし前の文献ですが、年々摂食障害(特に過食)に悩む女性が増加しています。
過食嘔吐は、過度な食事摂取を続けた後に意図的に嘔吐する行動です。
これは心の健康に悪影響を及ぼし、肉体的な健康にも危険をもたらす行為です。
過食嘔吐の原因はさまざまですが、主な要因の一つがストレスです。
ストレスは過食嘔吐の主要な原因の一つとされています。
なぜ痩せたいと願うのか。
先行研究では TV や雑誌といったメディアの提示する痩身のイメージが痩せ願望や食行動異常に関連することを示してきた.
食行動と心身の健康
過食の原因はストレスである事が多くの研究によって示唆されています。
メディアが提示する痩せた女性のイメージとそれらと比較した時のギャップを解消するためにダイエットを始める。
しかし、その結果ダイエットがうまくいかず、更なるストレスに晒される。
そのストレスを解消するために過食に走る。
ストレスに関してもStice(2000)は,12カ月に渡る縦断調査から,BEはさらなるネガティブ感情を生じさせ ることを見出しているし,島谷(1993)も,BEは理想の自己像(ダイエットする自分)との乖離を生じさせ,罪悪感と自己嫌悪といった心理的ストレスを高めることを指摘している.
ダイエットによってBEが高まるが,BEが高まったことによってまたダイエットが高まるという悪循環の関係にあることが示された.
女子大生のダイエット行動とストレスが Binge Eating に及ぼす影響
BEとはBinge Eatingの略で日本語にするとムチャ喰い(過食)です。
ダイエットを頑張る→うまくいかない→過食→自己嫌悪→ダイエットを頑張る→うまくいかない→過食→自己嫌悪…
というループにハマってしまいます。
現代社会では、SNSを通じて他人の成功や理想的な姿を見る機会が増え、自己評価が低下することがあります。
ストレスと過食の関係
小澤・富家・宮野・小山・川上・坂野(2005)は,社会・文化的要因に焦点を当て,定期的に女性誌を購読している女子大学生では,そうでない学生に比較して摂食障害傾向が高く,女性誌からの被影響性が高いという特徴を示した。
吾妻・大野・稲富・田中・太田(2002)は,個人的な要因に焦点を当て,摂食障害傾向が高いものは外見を重視し,人に気に入られるために行動する傾向があることを明らかにした。
摂食障害傾向のある青年の拒食と過食の心理的意味と変容プロセス
SNSが普及した影響から、女性誌を買って読んでいた時代と比較して、トレーニングに励む女性や痩せて綺麗になったと言う動画や写真を目にする機会が圧倒的に増えました。
その結果自分以外の誰かと比較する機会が増え、自分の外見に不満を抱くことが多くなります。
このギャップは、自己評価を低下させ、ストレスを引き起こす一因となります。
また、SNSとは関係なく、仕事や私生活で嫌なこと、つまりストレスを受けるとそのストレスを解消するために食に走ってしまいます。
これは脳の報酬系とよばれる回路に関係があります。
脳の報酬系(Reward System)は、脳内の特定の領域と神経伝達物質に関連する重要な生物学的なプロセスで、快楽、報酬、学習、動機づけに関与します。
報酬系は、我々が生きる上での重要な役割を果たし、食事、性行動、社交、薬物の使用など、様々な行動と関連しています。
学習と動機づけにも関連しており、新しい行動を習得し、目標を達成するために重要な役割を果たしています。
報酬系は、自然の報酬(食事、性行動、社交など)だけでなく、薬物やアルコールのような外部からの刺激に対する反応にも関与しています。
中脳辺縁系という部位が報酬系の中心であり、主にドーパミンという神経伝達物質によって制御されています。
この系統には、脳内報酬センターとも呼ばれる腹側被蓋野(Ventral Tegmental Area, VTA)と、帯状回(Nucleus Accumbens)が含まれています。
VTAからAccumbensにドーパミンが放出されると、快楽と報酬を感じることができるようになります。
そしてこのドーパミンが分泌されると気持ちよくなり、行動が強化されます。
報酬系は報酬を得ることでドーパミンの分泌量が抑制されます。
ところが“食べる”という行動は、食べて消費するだけなので何も得るものがありません。
だからドーパミンの分泌量が減らないのです。
その結果お腹いっぱい苦しくなるまでご飯を食べてしまいます。
これは薬物依存やタバコ、アルコールも同じです。
ストレスを感じる→食べる→気持ちよくなる→行動が強化される。
この報酬系という仕組みは魚類の段階にはすでにあったようです。
報酬系の厄介なところは、実際に”報酬”を得られていない時でも、”報酬”が得られるという期待さえあれば活性化してしまうところです。
なので、“実際に食事をしていなくても食事をすることで気持ちよくなれる、ストレスが発散できるという期待”があれば、報酬系が活性化し行動が強化されてしまいます。
過食はストレス発散にはぴったりの手段なんです。
そして、過食した後に激しく後悔し嘔吐する。
この様に負のスパイラルに嵌ってしまうのです。
過食嘔吐の方で食べたくないと思っているのに食べてしまうのは、この報酬系の影響もおおいにあるかと思います。
ストレス発散の手段として食を選んでしまうのも、脳の機能を考えれば当然なのかもしれません。
コルチゾールと食欲
ストレスを感じるとコルチゾールというホルモンが副腎から分泌されます。
コルチゾールの主要な役割は、糖新生を促進し、エネルギー供給を確保することです。
糖新生は、乳酸やアミノ酸といった糖質以外の物質を原料にブドウ糖を作り出す反応です。
これは、ストレス状況下で身体が即座にエネルギーを利用できるようにするための生理的な反応です。
コルチゾールの増加は食欲を増加します。
特に高カロリー、高脂肪の食品を選好する傾向があります。
その結果、ストレスに晒されるとジャンクフードや甘いモノの摂取を誘発することがあります。
先ほどの報酬系との合わせ技で、ダイエットがうまくいかないというストレスから高カロリーなものを食べ過ぎてしまうのです。
また、長期間のストレスにさらされ続けていると、脳の深部にある脅威やストレス刺激に対する反応を調整する役割を果たす扁桃体という部位の活動に変化が生じてきます。
長期間のストレスにさらされると扁桃体が過度に活性化され、ストレスの感じ方が強化される可能性があります。
ストレスに晒され続けていると、更にストレスを感じやすくなるという恐ろしい状態に陥るのです。
扁桃体の過度の活性化は、身体的なストレス応答にも影響を及ぼすことがあります。
心拍数や血圧の上昇、消化器系の不調、睡眠障害などといった身体的な症状です。
過食嘔吐の方に便秘や睡眠障害を持っている方がいますが、おそらくこの影響だと思います。
また、意思決定、計画、課題の調整、認知制御、情動調整などに関与している、内側前頭前皮質(DLPFC、Dorsolateral Prefrontal Cortex)の機能もストレスによって影響を受けることがあります。
ストレスを受けると認知的な制御や意思決定能力が低下することがあり、食事の選択や食事行動にも影響を及ぼします。
なんとなく食べてしまう、朝起きたら菓子パンの袋が捨ててあったなどの行動は、DLPFCがストレスに晒され、まともな判断ができなくなった結果です。
ということで、過食嘔吐は気合いでどうにかなるものではありません。
過食嘔吐を乗り越えよう
ここまでストレス状態と食欲について解説してきました。
これをどうやって乗り越えていくか?、これについて解説していきます。
過食嘔吐の負のサイクルを破るための第一歩は憧れの誰かになろうとするのではなく、なりたい自分を基準にすることです。
この負のサイクルから脱却するためには、このような視点を持つことが必要不可欠です。
他人との比較して現在地を把握することは大切ですが、なりたい自分に基準を置くことが大切です。
他人と比較をしない。
なりたい自分をしっかりと持つ。
これが大切です。
隣の芝生はどうしてもよく見えてしまいますが、自分は自分、他人は他人と割り切ってダイエットをはじめましょう。
以前このように割り切ることができない女性を担当したことがありますが、自己効力感を高めることで解決する事ができました。
※自己効力感は自己肯定感とは違います
割り切る事ができないと言う方は、まずは自己効力感を高めるようなことからスタートしましょう。
自己効力感を高めるポイントは達成可能な課題から一つずつクリアしていくと少しずつ高まっていきます。
ご飯を食べると太るは間違い!
食事をすると太る。
この考え方を変えないと過食を乗り越えることはできません。
規則正しく決められた時間に三食食べる必要はありませんが、食事をきちんとすることで痩せやすい体になります。
“摂食障害傾向を示す女子大生の令理的特性と栄養状態評価”という資料によると、摂食障害傾向の女子大生の栄養バランスを調べたところ、タンパク質と食物繊維は多めに摂取しているが、脂質、糖質、ビタミンA、ビタミンD、鉄が不足している事が報告されています。
食事の量をkょ苦単に減らしてしまたり、回数を減らしてしまうと栄養バランスが偏ってしまいます。
資料には書かれていませんでしたが、これは炭水化物を避けるためにその分のカロリーをタンパク質でおぎなっている、過食時に高カロリーではあるがビタミンなどの栄養素がほとんど含まれていない食品を選んでいる可能性が考えられます。
このようなバランスの食事だと、体(脳・胃・腸など)はすぐに空腹状態になります。
こうならない為にも栄養バランスをきちんと考えて、食事をする習慣を身に付けないといけません。
正しい知識があれば食べた方が痩せます。
過去に担当したお客様の話
ここからは過食嘔吐で悩んでいたお客様を担当していた時の話を中心に解説していきます。
彼女たちにインタビューをしたところ「夜寝る前になると抑えられない食欲が湧いてくる」と言っていました。
という事で、その原因は“ストレスによって活発になっている交感神経を「食べる」事で抑えようとしているのではないか”という仮説を立てました。
食事によって腹側迷走神経の働きが活発になると,心肺系への迷走神経ブレーキ,すなわち交感神経系の抑制が促進される。
多重迷走神経理論による 神経性過食症理解の可能性について
※ドーパミンを求めているというのもあります
“食べる”という行為は安心ホルモンと呼ばれているオキシトシンを分泌させます。
オキシトシンは口唇に触れる事で分泌されます。
唇に食べ物が触れる事でオキシトシンが分泌されストレスから解放される。
その為に夜寝る前に食べてしまうのではないかとも考えました。
赤ちゃんが母乳を飲むと寝てしまうのも、唇を触る事で不安が少し落ち着くのも、“オキシトシン”の影響です。
食べてしまうのにはそれ相応の理由や原因があります。
それを理解せずに過食だからと言っていきなり食事を制限してはいけません。
ストレスが余計にかかるだけです。
という事で、まず最初にプログラムに取り入れたのが腹式呼吸の練習とストレッチです。
ストレス過多の人の場合、かなり高い確率で呼吸が浅くなっています。
呼吸が浅い方は腹式呼吸がほとんどできません。
睡眠の質が悪くなると肩こりや睡眠不足を招き、ますます交感神経は活発になります。
このような理由から深呼吸とストレッチを中心にプログラムを組んでいきました。
トレーニングを中心にプログラムを組んでも良かったのですが、トレーニングをする事で交感神経が優位になるも嫌だったので、深呼吸とストレッチという組み合わせを採用しました。
この時使ったストレッチは、いわゆる伸ばすだけのストレッチではなく、動かしながら伸ばすストレッチの事です。
一昔前はムーブメントプレパレーションと呼ばれていた類の動きになります。
※ダイナミックストレッチではありません
お客様には可能な範囲で就寝前に深呼吸かストレッチを行なってもらいました。
深呼吸かストレッチをしてもらう事で副交感神経を賦活化し、ストレスによって活発になっている交感神経を“食事”以外の方法で鎮めてもらいました。
簡単な運動ですが習慣化するまでは大変です。
脳の記憶を書き換えないといけないので一朝一夕にはいきません。
それでも、根気良く続ける事で過食症は少しづつ改善の兆候が見られるようになりました。
たまに自律神経に介入するという方がいますが、自律神経は自律しているから自律神経なので外部からの介入はほぼ不可能です。
交感神経には深呼吸とストレッチからアプローチ。
ドーパミンにはトレーニングを使ってアプローチする事が出来ます。
ドーパミンにアプローチするならこれは必須になります。
報酬系の成り立ちは運動(摂食行動)と深い関わりがあります。
なので脳の報酬系は運動をする事で刺激されます。
報酬系が刺激されればドーパミンは分泌されます。
運動がストレス発散になるのはこれが理由です。
担当していたお客様も運動するようになったら過食はかなり落ち着きました。
運動する事で自己効力感アップ!
過食の一つに自己効力感の低さというものがあります。
「私なんて何をやってもうまくいかない」
これが自己効力感が低い状態です。
成功した経験が少ない人ほどこのような状態に陥ります。
イヌを使った実験でもこのことは証明されています。
担当してい方も自己効力感が低めだったので、トレーニングを活用して改善していきました。
具体的にはギリギリ達成出来そうな目標を設定してそれを乗り越えていくという作業を繰り返し行なっていきました。
まとめ
食事以外のアプローチとして今回挙げたようなことを行なっていました。
個人差はありましたが、概ね3ヶ月くらいでそれなりの効果得ることができていました。
過食に関して今回お伝えしたこと以外にも色々ありますが、食事・運動とある程度書きたいことは書けたのでここまでで一旦の区切りとします。
過食は悩めば悩むほどストレスがかかるので、早めに対処することをお勧めします。
過食嘔吐で悩んでいるという方は一度ご連絡ください。
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