ヒトはビタミンCを作れない

ビタミンC栄養学

@銀座のパーソナルジム

銀座で働くパーソナルトレーナー今村です。

ストレスや免疫に対して働くビタミン。

それがビタミンCです。

ところが、ほとんどの動物はビタミンCを作れますが、人間はビタミンCを体内で作ることができません

人間と同様、体内で作れない動物はサルやモルモットなど一部の動物だけです。

そのため、食事の際にビタミンCの入っているものを食べないといけません

トレーニングを頑張ってもビタミンCが足りなければダイエットはうまくいきません。

ビタミンCの働き

ビタミンCには様々な働きがあります。

お肌や、免疫、脂肪燃焼などにも間接的に使われます。

と言うことで順番に説明していきます。

ビタミンCは活性酸素を除去する物質として知られています

しかし、氷河期のように食糧事情が悪化し、食事からビタミンCが摂取できなくなると、体内で合成出来ないため他の物質で除去しないといけません。

そこで体が新たに獲得した抗酸化物質が尿酸です。

尿酸は水に溶けにくいため、血液中で尿酸値が高くなると痛風の原因になってしまいます。

しかし、尿酸は非常に強力な抗酸化作用を持っておりビタミンCと同じように活性酸素を除去してくれます。

ビタミンCには酸化した物質を元に戻す強力な還元力が備わっています。
 
また、皮膚や骨に多く存在するコラーゲン線維の構築や、コレステロールなどの脂質代謝、アドレナリンなどのカテコールアミンの合成を助ける補酵素としても働いています。
 
さらには、小腸での鉄の吸収の促進ビタミンEの再生などにも関与しています。

コラーゲン線維の構築

コラーゲン線維は三重らせん構造と呼ばれる、3本のコラーゲン線維が結びついた構造をしています。

この三重らせん構造(3本をくっつける)を維持するためにビタミンCが働いています。

ビタミンCが不足すると、3本のコラーゲン線維が結合できなくなり、皮膚に張りがなくなってしまい、肌荒れの原因になってしまいます

ダイエット中は特にビタミンCが不足しがちなので、積極的に食事から摂取しないと肌が荒れてしまいます。

カルニチンの合成

カルニチンは、ミトコンドリアの中でATPを合成する時に必要となる物資です。

その役割は、脂肪酸をミトコンドリア内に運び込むことです。

そのため、カルニチンが不足するとミトコンドリア内に脂肪酸を運ぶことができなくなってしまいます

また、脂肪酸を細胞内に運び込んで使うことができなければ、脂肪酸は余っていしまい太ってしまう原因にもなります。

ダイエットを頑張っている人にとってこれはただ事はありません。

そして、私たち人間は体内でカルニチンが不足しないように自ら合成することができます。

その材料となるのが、アミノ酸(リシン、メチオニン)とビタミンCです。

したがって、ダイエット中に摂取カロリーを気にしすぎてビタミンCを食事から摂取できないと、痩せにくい体となってしまいます

脂肪を燃焼させる”といった謳い文句に惹かれて、サプリメントからカルニチンを摂取する方がいらっしゃいます。

しかし、肝臓や腎臓でカルニチンを合成することができるので、摂取するのであればビタミンCを摂取した方がよほど効果的だと思います

コレステロールの代謝

モルモットを使った実験では、ビタミンCを欠乏させると血液中のコレステロール値が上昇するといった報告があります。

ビタミンCが不足すると、コレステロールから胆汁酸の代謝に必要な酵素(CYP7A1であるコレステロール7α-ヒドロキシラーゼ)の酵素活性が著しく低下します。

その結果、コレステロールから胆汁酸への代謝が上手くいかず、コレステロールが余ってしまい、血液中の濃度が上昇してしまいます

同様の結果は、ビタミンCを作れない自然発症ODSのマウスでも確認されています。(塩野義製薬実験動物センター)

ビタミンCを食事、もしくはサプリメントから摂取することでコレステローチを胆汁酸へと代謝することができます。

胆汁酸は食物脂肪吸収しやすくする働きがあるので、ダイエットにおいてこれも大切なものとなります

アドレナリンの合成

アドレナリンは身体的、精神的な危機に遭遇した時などのストレスが加わると、副腎から瞬時に分泌されるホルモンです。

副腎から血液中にアドレナリンが放出されると、心拍数の増加、血圧の上昇、瞳孔の拡大、血糖値が上昇します。

アドレナリンはカテコールアミンに一つであり、アミノ酸のチロシンからドーパを経て、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンへと順番に合成されます。

ドーパミンからノルアドレナリンへ変換される時(代謝)、その反応を触媒する酵素の手助けをするのがビタミンCです

ビタミンCが不足すると、この反応がうまくいかず、アドレナリンの前駆体であるノルアドレナリンが合成できないため、アドレナリンも合成できなくなってしまいます。

そのため、副腎には体の組織の中で最も多くビタミンCが蓄えられています。

ビタミンCが欠乏すると、ストレスに対して打ち勝つことができなくなってしまうので、ダイエット中に限らず、しっかりと食事から摂取しましょう

鉄の吸収

食品中の鉄はヘム鉄と非ヘム鉄に分類されます。

ヘム鉄は肉類に多く含まれ、腸管の吸収率は23〜28%ととても高いです。

このように吸収率が高いのは、胃や腸でタンパク質から分離して、鉄ポリフィン体になって吸収されるからです。

非ヘム鉄は、野菜や、穀類、卵、乳製品に多く含まれています。

その吸収率は数%で、ヘム鉄と違いほとんど吸収されません。

一般的に日本人の食生活では、欧米化が進んだとはいえ、非ヘム鉄で構成されています。

この吸収率の低い非ヘム鉄の吸収を助けるのがビタミンCです。

ビタミンCはその強力な還元力で吸収されにくい3価鉄(Fe3+)から電子(e+)を奪い、吸収しやすい2価鉄(Fe+)に還元しま

鉄分が不足すると貧血になります。

ホウレンソウなどを食べて鉄分を摂取しようと頑張る方がいますが、その場合はビタミンCも一緒に摂取しないと、体の中には入ってきてはくれません。

このように、ダイエットに関係なく何をどんな組み合わせで食べるかと言うのはとても大切な考え方になります。

ビタミンEの再生

ビタミンEはビタミンCと同じく強力な抗酸化作用を持っています。

ビタミンEは脂溶性のため、そのほとんどが細胞の外と内を分けている細胞膜内に存在しています。

細胞膜の脂質の酸化によって生じた脂質ラジカルを消去します。

そしてビタミンE自体は酸化され酸化型ビタミンEになってしまいます。

この酸化されたビタミンEを再生させるのがビタミンCです。

ビタミンEを摂取することも大切ですが、ビタミンCを摂取すれば、繰り返しビタミンEを使うことができます。

なぜヒトはビタミンCを作れないのか?

ビタミンCはブドウ糖を材料に行くつかの化学反応を経てビタミンCを合成します。
 
ビタミンCを合成する最終経路の最後の位置する酵素、L–グロノ-Γ-ラクトリン酸化酵素(GLO遺伝子)に進化の過程で入った遺伝子変異があるため、合成できません。
 
ビタミンCを合成している場所は肝臓と腎臓ですが、上記の理由から合成はできません。

あくまで仮説ですが、以下のような理由が考えられていま。

仮説1

2500万年前、ヒトの祖先であるサルは外敵から身を守るために木の上に住んでいました。

安全な環境で、気候も温暖だったことからビタミンCを多く含む果物を十分に食べることができました。

その結果、食べ物から十分なビタミンCを摂れるようになったことから体内で合成するのを止めたと考えられています。

仮説2

太陽光に含まれる紫外線が、細胞の核にあるDNAの二重螺旋構造を破壊し、隣接する核酸の塩基とチミンダイマーなどを形成する遺伝子に障害を与えます。

それがGLO遺伝子に影響を与え、体の中でビタミンCが作れないサルが残り、ヒトへと進化し現代に至ったと考えられています。

どちらも科学的な証拠もなく、なぜ作れなくなったかは未だに謎だそうです。

体の中で合成できない事は事実なので、ダイエットに関係なく食事から摂取する必要があります。

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