秋の味覚として人気の高い焼芋🍠。
今回はサツマイモとダイエットについて解説していきます。
なんとなくまだ暑いですが、秋の訪れとともに、焼芋が食べてくなります。
この美味しい秋の味覚を楽しむ中で、ダイエットにも役立つ秘密が隠れていることをご存知でしょうか？
ちなみに、サツマイモとジャガイモは仲間だと思われていますが、異なる植物種です。
サツマイモはヒルガオ科（Convolvulaceae）に属し、ジャガイモはナス科（Solanaceae）に属します。
そして食べている部分はサツマイモは根ですが、ジャガイモは茎です。
知ってました？
さつまいもはダイエットにおすすめ！
サツマイモは食物繊維が豊富に含まれているので、ダイエットにぴったりの食材です。
食物繊維は腸内細菌の餌となり腸内環境を整えてくれます。
腸内細菌とは、私たちの腸内に生息する微生物のことです。
これらの微生物は私たちの健康に大きな影響を与える役割を果たしています。
腸内細菌と食物繊維には密接な関係があります。
食物繊維は、私たちの体では消化できない食物成分の一部です。
しかし、腸内細菌は食物繊維を分解し発酵させることができます。
腸内細菌は食物繊維を材料に短鎖脂肪酸（SCFAs）と呼ばれる化合物を生成します。
SCFAsは腸内細胞にエネルギーを供給し、腸内環境を整える重要な役割を果たします。
SCFAsは中性脂肪の代謝にも影響を与えます。
肝臓での中性脂肪の合成を抑制し、中性脂肪の減少に寄与します。
研究によると、特定の腸内細菌の増加や減少は、体重の増加や減少と関連していることが示唆されています。
例えば、一部の腸内細菌がアミノ酸やペプチドを生成し、これらの化合物は脳に影響を与え、食欲を制御する役割を果たすことがあります。
また、特定の腸内細菌が食物の分解に関与し、それによって生成される化合物が、食欲中枢を刺激または抑制することがあります。
これにより、食事後の満足感や飢餓感が調節され、食事摂取が調整されます。
要は食べ過ぎを防げるということです。
また、食物繊維を摂取すると血糖値のコントロールにも関与しているので、食欲の抑制効果なども期待できます。
さつまいもの糖質はダイエットに適しています
サツマイモに含まれる糖質はブドウ糖が２つくっついてできている麦芽糖になります。
麦芽糖は果糖と同じように血糖値の上昇が緩やかです。
ただし、麦芽糖はブドウ糖に分解できるため筋肉や脳ですぐに利用できます。
果糖とは異なり、肝臓以外でも代謝できるため、血糖値が急上昇しないのにお腹が長く満たされるのです。
さつまいもは調理法で食物繊維量が変化します。
焼き芋が良いのか？、蒸すのが良いのか？、という点を考えます。
実は、調理法によって食物繊維の量も変化します。
【サツマイモの栄養機能成分と焼き芋の美味しい焼き方理論】という論文をご紹介します。
この論文では、“なま”のサツマイモと焼いたり蒸したりした場合の栄養成分を比較しています。
表を見ると焼き芋が一番多く麦芽糖が増えていることがわかります。
つまり、甘みを求めるなら焼芋が一番おすすめと言えるでしょう。
特に石焼き芋や壺焼き芋などじっくりと時間をかけて加熱すると麦芽糖がより増えるようです。
一方で、食物繊維の量が一番増えるのは“蒸す”です。
食物繊維を多く摂りたい方には、蒸して食べることをおすすめします。
また、デンプンを加熱すると一部がレジスタントスターチ（食物繊維に似ているけど微妙に違う）に変化します。
このレジスタントスターチは大腸内で先ほど出てきた短鎖脂肪酸を生成し、脂肪の代謝を促進します。
サツマイモはその中でも多くのレジスタントスターチを生成すると言われています。
ちなみに電子レンジで加熱した場合はどうなのか？、と言うことで調べてみました。
なまよりは食物繊維は増加しますが蒸すよりは少ないといった感じです。
不溶性食物繊維：IDF 水溶性食物繊維：SDF
食物繊維の量が多いサツマイモはデンプンは少なく、食物繊維の量が少ないサツマイモはデンプンが多く含まれている傾向があります。
食物繊維の少ないサツマイモは蒸す。
食物繊維が大いサツマイモは焼く。
こんな風にすればカバーし合えるのではないでしょうか。
サツマイモの栄養成分と健康への効果
サツマイモはビタミンCを多く含む野菜の中でも特に優れた食材です。
熱に弱いビタミンCが、サツマイモの粘化デンプンによって保護され、加熱後も残存量が多いのが特徴です。
蒸し芋の方がビタミンCが多く残ることも分かっています。
また、サツマイモの部位によってもビタミンCの含有量に違いがあります。
が一番増えるのであまり気にしなくても良いでしょう。
じゃがいもは茎なのでカロリーも栄養はほとんどありません。
カロリーが高いイメージがあるのは調理法の問題だと思います。
“芋神様”と呼ばれた青木昆陽が飢饉対策としてさつまいもの普及に努めたのも納得の栄養バランスです。
目黒不動瀧泉寺の裏手には青木昆陽のお墓があるそうなのでさつまいも好きの方は焼き芋片手に一度訪れてみてはいかがでしょうか？
甘い焼き芋の作り方
最後に科学的にみた美味しい石焼き芋の焼き方をご紹介します。
まずは温度です。
麦芽糖が最も生成される温度は65°〜75°くらいです。
これ以上温度が高くなると麦芽糖は生成されなくなります。
これはサツマイモのβアミラーゼが75°を超えると酵素活性が失われてしまうからです。
と言うことで設定温度はこれを目安にしましょう。
次に時間です。
40分以上かけて石でじっくりと焼きます。
なぜならサツマイモの中までしっかりと熱（65°以上）が入るのにそれくらいかかるからです。
※オーブンの場合は調べたけど不明でした
電子レンジだと急激に熱が入りすぎるため、麦芽糖の生成量は少なくなり、甘味不足と感じてしまうかもしれません。
免疫や抗炎症反応にも関与するサツマイモ
ダイエットとは直接関係ありませんが腸内細菌は食物繊維を発酵させて「制御性T細胞（treg細胞）」を作ることがわかっています。
以下引用です
↓
今回、共同研究グループはマウスに食物繊維が多い食事（高繊維食）を与えると、制御性T細胞への分化誘導が起こることを発見しました。高繊維食を与えたマウスでは低繊維食を与えたマウスに比べて腸内細菌の活動が高まっており、代謝産物のひとつである酪酸の生産量が多くなっていました。さらに、この酪酸が制御性T細胞への分化誘導に重要なFoxp3遺伝子の発現を高めていることも明らかになりました。
つまり、食物繊維の多い食事を摂ることで腸内細菌の活動が高まり、その結果多量の酪酸が作られ、この酪酸が炎症抑制作用のある制御性T細胞を増やしていると考えられます。
実際に大腸炎を起こす処置をしたマウスに酪酸を与えたところ、制御性T細胞が増え、大腸炎が抑制されました。
と言うことでアレルギー体質の人は食物繊維を摂ると改善されるのではと期待されています。
まとめ
秋の味覚であるさつまいもは、美味しさだけでなくダイエットや健康にも優れた効果を持つ食材です。
調理法や部位によって栄養成分が異なるため、自分の好みや目標に合わせて食べ方を選びましょう。
また、焼き芋屋さんで贅沢なひとときを楽しむこともおすすめです。
さつまいもの健康効果を活かしながら、美味しくダイエットをサポートしましょう。
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